子どもを読書好きにする方法
親がまず読書する習慣をつける
1カ月に本をどれくらい読みますか? もし二桁に届かない冊数であれば、子どもを読書好きにするのはなかなか困難になります。自身がほとんど読書をしないのに子どもに読書するように言うのは、働かない上司が部下に向かって「もっと働け」と言っているようなものです。言われた部下は上司の言うことに反発心を高めるだけです。
子どもがあまり読書をしないのであれば、うまく時間のゆとりが出るように工夫して、リビングなど子どもの前で読書をする時間をつくり出す。大人が楽しそうに読書をする、いわば実演してみせるのがいちばんです。
人を動かす要諦を言い表した有名な言葉があります。
「やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ」(山本五十六)
まず、「やってみせ」るわけです。楽しそうに実演すると子どもは真似します。
アメリカの作家、マーク・トウェインの『トム・ソーヤーの冒険』 をご存知でしょうか。主人公トムの行動を紹介します。
いたずらっ子のトムは、罰として長い塀のペンキ塗りを仕方なくやらされています。そこへ友人たちが通りかかる。トムはわざとペンキ塗りが楽しくてたまらないというそぶりをします。友人たちはだんだんペンキ塗りに関心を持ち始めます。そして、羨ましくて仕方がなくなってしまいます。ついに、友人たちはリンゴを上げるかわりに、ペンキ塗りをやらせてくれるように頼みます。友人たちは次々にトムに何かをあげて、競ってペンキ塗りをやるのでした。
子どもたちが、大人がやるようにやりたくなるように誘導するのは、トム・ソーヤでなくてもできます。 子どもは大人の説教を聞きたがらない一方で、大人のやることは真似したくなる特性があるからです。
すぐに効果を求めずに、読書をゆっくり楽しむ。辛抱強く子どもを見守っていれば、やがて子どもも自分から読書をするときがやってくるはずです。
推薦図書を薦めない
いうまでもなく推薦図書は、子どもに好影響を与える内容が詰まった本です。子どもが自分から喜んで推薦図書を読むのなら理想的です。しかし、そんな子どもはごく少数。推薦図書は食べ物でいえば、栄養価の高い小骨が多い青魚や、ピーマンや人参などの野菜。でも、多くの子どもはピーマンよりもハンバーガーやカレーなど、加工された食べ物を好むわけです。食事を拒む子どもに魚や野菜を食べさせようとするとするのは無理があります。野菜を食べさせようと思ったらまずは、細切れにしてハンバーグやコロッケの中に入れたりして工夫をしますよね。読書も同じことです。とにかく「活字」への抵抗をなくすことを優先しましょう。
例えばファンタジー系の洋画(字幕)を一緒に観る。または子どもが興味がありそうな分野の図鑑を買い与える。スポーツに関心があるようなら選手名鑑でもいいですね。マンガも文字が多いものなら、漢字の読みと登場人物の心情読解の勉強になります。そうやって活字に接する機会が増えていくと、映画の原作本や、好きなアーティストのエッセイ本などにも関心が広がっていきます。とにかく活字に接するのであれば、それが立派な推薦図書でなくてもいいのです。「どんな話なの?」と子どもに質問をすることで、要約力を鍛えることもできますよ。
子どもであっても、その嗜好を変えるのは時間がかかります。あせらず辛抱強く働きかけてくださいね。
(出典:http://allabout.co.jp/)
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